本年(2008年)5月に北海道の小惑星捜索家 円舘 金(えんだて きん)さん、渡辺和郎(わたなべ かずお)さんに命名をお願いした小惑星「あわしま」と「おくみおもて」が、国際天文連合の承認を得て小惑星の名前として確定しましたのでお知らせします。両氏から連絡があったのは昨日夕刻(11月18日)です。MPECでの正式発表は11月13日でした。
お二人には心から御礼申し上げます。

発見時の画像

軌道と軌道要素

完成した奥三面ダム

環状配石と夏至の日の出

奥三面遺跡と天の川
縄文時代に見えた南十字

アチヤ平遺跡上段

元屋敷遺跡
アチヤ平遺跡からの再現


12810 「Okumiomote」 (奥三面)
Awashima の紹介文(英文で紹介されています)
(1996 BV 1996 01 17 400 Kitami 64312 Endate, K., Watanabe, K.)
発見者:円舘金、渡辺和郎 北海道北見

奥三面はかつて日本の中央の新潟県の北部、朝日村の山間に存在した集落で、多数の遺跡と4000年前のストーンサークルが見つかった。ダム建設に伴い2000年に湖底に沈む。

Okumiomote was a community in among the mountains in Asahi village, in northern Niigata prefecture. Many ruins and a stone circle of 4000 years ago, were discovered under the ground. It submerged by dammed-up a river 2000.

NASAの公式ホームページ--おくみおもての軌道や位置を調べることができます
http://ssd.jpl.nasa.gov/sbdb.cgi?sstr=okumiomote;orb=1;cov=0;log=0#orb


●解説:奥三面は新潟県北、鮭の遡上で知られる三面川の上流、朝日村(2008年4月の市町村合併により村上市に改名)の奥地にあった集落、「山に生かされた」と言われる狩猟と農耕を合わせた独特の生活文化を守り続けてきましたが、県営奥三面ダム建設で1985年に集団移転により閉村、2000年集落はダム湖底に水没しました。
ダム建設に伴う遺跡発掘調査では、多くの遺跡が発掘され、古くは旧石器時代(今から25000年前)からの生活の痕跡が発見されました。縄文中期の遺跡からストーンサークルが出土し、夏至の日の出実験などが行われました。沼澤がカレンダーという視点からの調査結果を発表し、考古学ジャーナルで取り上げるなど、天文からの視点が考古学の分野でも注目された一例となりました。
(環状配石の謎についての詳細---http://www.jplnet.com/miomote/

●個人的逸話:奥三面には「沼ノ沢(沼澤)」をはじめ、私の祖先である「平四郎」の名前と同じ「平四郎峰」や、「シゲミ山」というのがあって驚かされました。これは、環状配石の調査の時に知ったものです。25年以上前、ダムによってなくなる地区と言うことが気になって当時のダム行政に疑問を持ち続け、今に至ります。

2008年11月26日 沼澤